バレンボイム音楽論
ダニエル・バレンボイム、ピアニストにして指揮者。
音楽と人間との関わりを徹底的に論じている。バレンボイム自身の社会的な活動もその音楽家としての哲学から発生していることもよく分かる。
途中、スピノザの「エチカ」からの引用が多い。(昔読んだがちんぷんかんぷんだった)
彼が思索を深めていく上で、重要なヒントを与えてくれたのが、この著作であるそうだが、バレンボイムの語り口から還元して考えると、スピノザの考えもより具体的に理解することができる。
音楽と人生との関わりについてヒントを得たい人向けの本であると思う。
音楽表現について、かなり根本から「何故?」に対してバレンボイム自身の回答を与えているので、音楽を実践するうえでのヒントもたくさん書いてある。
ちょっと、とっつきにくいが、得られるものも多い本であった。