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インプロヴィゼーション(デレク・ベイリー)

ギタリスト、というよりは即興演奏家として名高いデレク・ベイリー氏の著書。
様々な即興演奏の分野との対話から、得られたものを文章にしている。

インド音楽、教会オルガン音楽、フラメンコ、ジャズなどの『即興』について深く掘り下げている。
結局は音楽とは何か?作曲とは何か?ということを考える作業になってしまう。
楽器とそれを操る身体、そして身体をコントロールする精神・・・これらの関係から、どのような音楽が生まれるのか?ということを自由に考えている本。

大学生の頃、この本を読んで、「ああ、音楽って、いろいろ考えた上で、てきとーにやっていいのね」と思ったが、現在プロになって、おりおり思考の檻から出られないことがたまにある。そんなときは徹底的に考える。いろいろな本を読んだり、考えを整理したり。
結局は、楽器を弾いていると、その思考の檻から脱出できることが多いのである。結局、ぐちゃぐちゃ考えるよりも、実際の音から学ぶものは多い。
もちろん逆も多い。

このあたりの、楽器(音)、身体、精神、のバランスがコントロールできたときに、真の音楽家となれるのかもしれない・・・そんなことを考えてしまう本です。