レイ・デ・ラ・トーレ(ボッケリーニ ギター五重奏他)
レイ・デ・ラ・トーレの過去録音集成。
幻のボッケリーニ五重奏(名盤!)のほか、アルベニス、グラナドスの定番曲も収録。
マニアなところでは、ニン・クルメル「ミランのテーマによる6つの変奏」とオルボン「プレリュードと踊り」を収録。両者ともこのレイ・デ・ラ・トーレに献呈されている。
オルボンはかつて、現代を代表するギタリスト、マヌエル・バルエコも録音していた。
キューバの音楽の雰囲気を伝える名曲である。ブローウェル以前にも、こうような南米カラーの楽曲を提供していた作曲家がいたことが興味深い。
ボッケリーニは、とにかく名演!
だまされたと思って聴いてみるとよい。
芳醇な弦楽の響きがたまらない。“グラベ・アッサイ”の部分など涙ものである。
“ファンダンゴ”でのトーレのギターの切れも素晴らしい。チェロとギターの低音が絡み合い、重厚なハーモニーが生まれている。
現代的な演奏解釈からすると、ちょっと前時代的な感覚なのだが、これでいいのである。
とにかく、各楽器の特徴がよく出ている。
本当にだまされたと思って、お聴きください。
ちなみに、現代的な演奏を期待するとがっかりするとは思いますが、レイ・デ・ラ・トーレの演奏に感動できない人は、絶対にクラシックギターの音を理解できないのは確かです。