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「あがり」を克服する(カトー・ハヴァシュ著)

生徒を教えているという仕事なので、発表会のたびに、「あがり」とは何か?について考える。
ということで、この本はとても参考になり、今でも折にふれて読み返す。

結構付箋がいっぱい張ってあって、「自分でも何度も読んだな~」と思ってしまう一冊。

ヴァイオリン奏者のために書かれた本ですが、指の使い方、難所克服のための方法などは、ギターと共通の部分も多く(肉体面でも、精神面でも)参考になります。

「あがり」という面だけでなく、たとえば「速いパッセージが弾けないという恐れ」という章では、技術面、精神面から具体的な練習法を書いていて、そのままギターなどでも応用できます。

あくまでも「演奏家」が揚がらないための方法を書いている点が好感が持てる本です。
決して心理学者が書いた「理論書」に終わっていないところがミソ。

また、生徒と教師のあり方(依存と自立)についても書いているのも、面白い。
「社会的地位もある大人の生徒が子供がえりしてしまう・・・」というくだりもあって、普段レッスンしている自分からすると、「ある、ある!」と思わず思ってしまうことも書いてある。

「練習の工夫」という章も参考になります。

とりあえず、楽器を練習している人なら持っていて損がない本。教えている人にもお勧め。