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ナディア・ブーランジェとの対話(ブルノー・モンサンジャン著)

ナディア・ブーランジェは「20世紀最大の音楽教育者」といわれる。
ソルフェージュ、和声、解釈、分析などのレッスンを行い、様々な優秀な弟子を輩出。

著者モンサンジャンが、彼女と対話を行い、まとめたもの。

ブーランジェの音楽に対する考え方を引き出していく。
徹底的に正統派の教育家。
ある意味で“知識の詰め込み”・・・ともいえるやり方であるが、楽曲を徹底的に分析すれば「バッハのフーガを週に1曲暗譜するなんて誰にでもできる!」という。

つまり、音楽家としての基礎技術(和声、ソルフェージュ、分析などなど)を身につけることが、なによりも大事、というポリシーのもとに教育をおこなってきた人物。

この本には、その偉大なる音楽教育家の至言が詰まっている。

問題は一点。訳が固い(部分的には誤訳もありそう・・・)ので、読みにくい。
残念ながら、原文を想像しながら読んだ。
最初読んだのは大学生の頃。
指示語が足りなかったりするようなところを補足して読んだ。
(生意気にも鉛筆で書き足してあったりする)

今でもたまに読み返す。
そうすると意外に「あ、わかった!」というところも増える。

そういう意味でも何度読み返しても面白い本。(個人的に)
逆にいえば、読み返さなければ得るところは少ない本ともいえる。