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生きた音楽表現へのアプローチ(保科洋著)

音楽表現の方法というものは運動に基づいている。
「ここは力を溜めていって・・・このフレーズの頂点で開放・・・」というようなことをレッスンでいうものである。こう考えると、音楽表現というのはエネルギーの移り変わりで理論化できそうなものではあったが、なかなかこれが難しい。
やはり実際のレッスンの場だと口伝に近い形で、教師がいろいろなパターンにおいて普遍的な表現を教えていかなければ鳴らないのが現実である。

・・・と考えているころに出会った本。かれこれ10年近く前になるかなあ。

スペインで学んだ西洋音楽の表現法のリアルな姿がこの本に理論化されていて驚いたものだ。漠然とケーススタディとして持っていた表現のルールが、理論化できることにびっくりしたのだ。

図などを用いて説明しているが、ちょっと分かりにくいかもしれない。でも、音楽表現を自分で見つけたい人には一読をお勧めする。いくつかフレーズの歌わせかたのコツを知っている人なら、「ああ、そういうことだったのか!」とすっきりするはずである。

音楽表現の理論付けに是非どうぞ。