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ウィーン・フィル 音と響きの秘密(文春新書)

中野雄氏の著書。
おおまかに言ってしまえば、オーケストラと指揮者の関係をウィーン・フィルという世界的オーケストラの発展をもとに解明していく本であるといえる。

オーケストラと指揮者の関係って何?とか、指揮者が何故「音楽家」として認められるの?(ただ棒振っているだけなのに・・・)といって疑問をもっている人にお勧め。

また、オーケストラメンバーがひとりひとり、優秀なソロ奏者でもあるので、そのエピソードも興味深い。

やはり小澤征爾が語られれば、その氏である斉藤秀雄の指導法も語られねばならない。
・・・というふうに、内容はいろいろな軸に膨らんでいく。

日本人と西洋音楽との関わりも触れられているし、ヨーロッパとアメリカの文化の差も語られる。
そういう意味では、とても内容が濃い。

クラシック音楽全般を知りたい人に、とてもお勧め。
この本を軸にして、オケを聞き比べしても良いし、指揮者に興味をもってCDを買ってみてもよいだろう。