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音楽ライターが、書けなかった話(新潮新書)

神舘和典(コダテ カズノリ)氏の本。
音楽ライターとして多くのミュージシャンの記事を書いてきた筆者の「裏ストーリー」的な内容。
各音楽家の、性格、人間性をクローズアップしている。
読みやすい。電車のなかでさらっと読めた。

扱っている音楽家は、ジャズ、ポピュラー、ロック、Jポップと幅広い。
個人的に、ジャズミュージシャンの項が面白く読めた。

ジョンスコフィールドとマイク・スターンの違い。かたや「紳士」、かたや「アメリカン」・・・。実際に自宅を訪ねていった際のエピソードで、それがよく理解できる。

デヴィット・サンボーンの苦悩・・・を扱った部分も、「ああ、スターも大変だな」と思う。

これらの内容が、筆者が実際に本人に会い、話をしたりした中で語られているから、読みやすいのである。

最後のほうに、筆者本人が語る「音楽ライターという商売」という文章がある。これがまたよろしい。
結局、自分の好きなことを仕事にしたほうがいいのだ。
この点は、私も同意見。