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2006年04月27日

「ミケランジェリ ある天才との綱渡り」(アルファベータ)

天才ピアニスト、ミケランジェリ・・・についての本。
大学時代、ミケランジェリのドビュッシー、良く聴きました。
「なんか変な音(倍音)が聴こえるな~」と思って。

そんな彼のことについて書いた本がこれ。
153ページあたりの、アンドレ・ゲルトラー教授のヴァイオリンメソッドの話が参考になった。
1960年代に活躍した名教授だそうで、この先生のクラスに入ると、その生徒は数ヶ月間それまでのレパートリーを弾くことを許されなかったそうである。

その数ヶ月間、基礎的な右手、左手の訓練のみに集中させる。

その後、フォームが安定した時点で、やっと曲だそうな。
遠回りだけど、正しい教育法だと思う。

まったく、ミケランジェリとは関係ない部分が印象に残った本でした。

「音楽観想」(みすずライブラリー)

ルバートに関する記述や、ダイナミクスについての説明、などなど実に参考になる。
固い文体(訳の問題?)のため、とっつきにくいが、勉強になる本。

118ページあたりの「筋肉群の交替」
120ページの「呼吸は全生命の始めと終わり」
142ページの「8分の6拍子」の説明の“しかた”
165ページの「不協和と協和の関係」
などなど、硬質だが、印象深い定義がたくさんあり、音楽家には参考になる。

「若き日のハイフェッツ名演集」

1925年~34年のハイフェッツの録音を集めたもの。
ハイフェッツのヴィブラートというのが参考になる。
あと、この時代の録音の雰囲気が好き。
曲も短くて良いし。

本当の意味でのヴィブラート研究という意味ではLP時代のほうがよいです。

2006年04月25日

「イギリスのギター音楽集」(ディバイン演奏)

ナクソスのちょっと地味だが、内容とコンセプトが素晴らしい一枚。
現代イギリス作曲家によるギター作品を集めている。
ウォルトン、デイヴィス、バークリーなど。
こういうCDはあっという間に消えてしまうので、早めに購入しておいたほうがよいです。

マックスウェル・デイヴィスの「フェアウェル・トゥ・ストロームネス」(先日このブログで記事にしました)も収録。このナクソス盤では「さよなら、ストロームネス」という邦題になっています。

ロースソーンの「エレジー」の録音が珍しい。

2006年04月23日

マックスウェル・デイヴィス『フェアウェル・トゥ・ストロームネス』

イギリス楽壇の巨匠、マックスウェル・デイヴィスの曲。
ギターオリジナルではなくアレンジ。
編曲者はティモシー・ウォーカー。

「The Yellow Cake Revue」という語り手とピアノのための作品中のピアノ曲だそうで、それを聴いたウォーカー氏がたった2日でギター版にアレンジして演奏したという。

親しみやすいメロディーであるが、結構アレンジはむずかしめ。

結構上級者向けかも。

「アランフェス協奏曲・他」(サントス演奏)

廉価版cd。
このCDの聴き所は「アランフェス協奏曲」ではなく、「他」となっているロドリーゴ作曲の「トナディーリャ」である。
ロドリーゴのギター2重奏曲。
トゥリビオ・サントス&オスカル・カセレスとの名デュオ。

重厚でありながら、リズミック。ギターの音も素晴らしい!

「アランフェス」よりもこちらが聴きたくて購入。

2006年04月22日

カルレバーロ『遺作集』

アベル・カルレバーロの作品集。ウルグアイの民族音楽をベースにした曲がほとんど。
『アイレス・デ・マランボ』という曲が良いです。
弾き易く、ギターでよく響く。

中級者~上級者のレパートリーにいいかもしれません。ちょっとしたアンコールピースにもいいかも。

ミロンガ研究にもよいかも。ということでタンゴの研究にもなります。

ノイマン『スイス風セレナーデ』

ギター&フルートの楽譜。
フルートパートはヴァイオリンでもクラリネットでもよい。
しかし、ドブリンガーの譜面は渋い!
死ぬまでギター関連をコンプリートしたいものである。

ポンセ ギター作品集(ホプシュトック編)

マヌエル・マリア・ポンセはクラシックギターでは有名な作曲家。
一般には「エストレリータ」で有名かもしれない。
このホップシュトック編は、ポンセの手稿譜から起こされたもの。
セゴビア編と結構違う。私は、面白い。
普通のアマチュアの方は、ふつーにセゴビア編でよいでしょうね。

全て弾いたことがあるのに、全部で「!」という変奏やら別バージョンのエンディングなどがあり、プロなら必携。

セゴビアの「センス」もよく理解できるかも。

カテゴリーの「楽譜」について

カテゴリーに『楽譜』と書いてはいるが、それを全然いかしていない。
購入記録くらいのつもりなので、今日からつけますね。
というより、今からつけます。

2006年04月20日

人生あまり目標がないほうが・・・

最近、初対面の人でも、私に相談事を持ちかけてくることが多い。
まあ、それなりに人徳がちょこっと備わってきたというのでしょうか。
それにしても、目標がはっきりしている若い子が多いね。
夢はあまり感じられないのだけど。

漠然と、やはり10代の子との違いを感じている昨今。

ある意味で、バブルをまったく知らない子は、とても、たくましい。

そんなことを考えました。

「指揮法&ウィンナー・ワルツ」(パンセ・ア・ラ・ミュージック)

指揮法についての基礎訓練書。
指揮の基本と、それが産み出すリズムの基本が理解できる。
ウィンナワルツの基本もしっかりと解説。

いままで読んだ指揮法の本でもっともわかりやすく、実践的な本だった。

音楽キーワード辞典(春秋社)

大学時代にやたら読んだ本。
音楽を理解しよう!と思って「楽典」を買ってもなんだか分かりにくかった。
で、この本に出会って「あ!意外と理論って面白いかも・・・」と思った。

文字通り「キーワード辞典」なので、興味のあるところから読んでいくとよい。
もちろん、通読しても面白い。読みやすい。

2006年04月13日

パール兄弟「ゴールデン・ベスト」

一体何人の人がパール兄弟のことを知っているのか?
おそらくメジャーなヒット曲は一曲もないのでは?
「ヨーコ分解」ぐらい?

というわけで、私が中学生の時、熱く燃えていたパール兄弟のゴールデンベスト!が出ていました。
即買いました。
(全部もっているんですけどね・・・)

改めて聴きなおしてみて、結構バカボン鈴木脱退後もよろしいです。
サーフィン・トーキョーとかね。

窪田晴男氏のギターの音も、とっても個性的でやっぱりクラクラきます。

渋谷と本屋

読書・・・好きなのだが、むしろ本屋好きなのかもしれない。
最近は書店ごと非常に個性的。
ある本でお勧め!と出ていても、他の書店ではまったくおいてないことも。

このあたりは非常に面白い。

最近は週1で行っている青葉台の本屋で買うことが多い。
渋谷の本屋は、あまりピンとこない。それなりに便利だけど、ちょっと魅力がない。

もう少し、濃い目の本屋、つまりクールな中にオーラが感じられる本屋が欲しいところ。
漫画は「まんだらげ」(オーラ充満!)があるので、結構便利。安いし。

2006年04月10日

「ピアノを弾く身体」(春秋社)

岡田暁生氏の著作。
ピアノ奏者の身体感覚について書いた本だが、「難しいパッセージは難しそうに弾く!」というのがヴァーチュオーソの特徴!という結論などは、結構衝撃的だ。
現在の奏者がどうしてつまらなく聴こえるのか?というヒントがもらえる本である。

もちろんそれだけでなく、音楽家なら思い当たることがたくさん書いてある。シューマンとショパンのアルペジオの違いによる身体感覚の変化&リズムの違いなども面白かった。

ライブドアーブログについて

ああ、不調。ライブドアーブログ。
教室用のいわば、営業用ブログなのだが、どうもトラブルが多い。
上のほうに「どんなことがあってもさくさく動くブログ!」とか言っている割に、調子悪いことが多い。

こちらのほうが更新がやはりスムーズ。

2006年04月08日

ぺぺ・ロメロ「禁じられた遊び/ギター名曲集」

ここ、1ヶ月ほどペペ・ロメロがマイブーム。
いろいろ聴き直して見ると、癖があるようでしなやか。自然。
なんだか不思議な奏者である。やはり「天才」というしかない。

1978年~1985年のぺぺ・ロメロの録音を集めたベスト盤。
安い!
内容は名曲集。
すっきりと聴き易いが、表現力は素晴らしい!

通な人は現在のぺぺ・ロメロの演奏と比較してみても面白いかも。

2006年04月05日

「ギターは日本の歌をどう変えたか」(平凡社新書)

現代ギター社刊「ギターの歴史」は確かにいい本だが、ある意味で「ギター史」の本で軽めのものがあった。
それがこの本。

実はギター史の本である。クラシックギター史の本ではないが、もちろん全てのギターの根本はクラシックギターであるので、20世紀に入るまではクラシックギター史の本といってよい。

リュートやビウェラとの関連、セゴビアの登場、日本でのギターブームなども書いてあり、ある意味では「日本のギター史」本と言える。古賀政男についても書かれており、そのセゴビアとの関連も触れている。そういう意味でも絶対に海外のギター史の本には書かれていない、日本クラシックギター史を簡潔にまとめてある。

新書で読みやすい、安価、という意味でもギター史初心者にお勧め!

「ギターの歴史」(ペフゲン)

ギターの歴史・・・といってもクラシックギターの歴史の本。
おそらく現時点で日本語で読めるもっとも詳しいクラシックギター史の本。

厚めであるが、内容も充実。

もう少し読みやすい簡略版もあったほうがいいとは思う。
でも生徒とかが、「なにかギター史の本いいのありますか?」と尋ねてきたとき、結局この本を薦めることとなる。

そんな本です。

2006年04月04日

ということで・・・日記風

今日は眠い。
何故なら昨夜はほとんど寝てないから。
アレンジの仕事をしていたら、燃えてしまって寝れなくなってしまったのだ。

結局朝まで起きていたわけである。

日記風って?

この「日記風」というカテゴリーは、なんなのだろう?と今更ながら考えている。

日記とは違うわけだから・・・とか考えると面倒になってくるので、思いつくことをつらつらと書くことにする。

2006年04月03日

「BRIO4月号」~ドナルド・フェイゲンインタビュー

「BRIO」という雑誌を初購入。
普段こんなお洒落雑誌は買わない。でも年代的に割合しっくりくる雑誌ではあった。

べつにお洒落に興味があるわけでもなく、
購入の目的はドナルド・フェイゲンのインタビュー。

ナイトフライ、カマキリアド、そして新作モーフ・ザ・キャットが3部作であること・・
少年期、ジャズにはまり、姉のピアノで真似事をしていたら、いつの間にかジャズが弾けるようになっていたこと・・・
など、フェイゲンファンなら「ほほ~」と思う内容。

2006年04月01日

「もう一度ラグリマ」

2002年に惜しまれつつ亡くなったクラシックギタリスト平田宏氏の義理の妹である両角 早百合さんによる本。
平田氏との関係をエッセイ風に綴っている。
家族との関係を中心に書いているので、ギター関連の記事を期待しているとがっかりするかも。
でも、平田氏の人柄や音の魅力が様々なエピソードから浮かんでくる。

1時間ほどでさらっと読める。
ギタリストというのも、1人の人間である・・・という実にあたりまえのことが当たり前に書かれている。
(こういう本が意外に少ない)