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さてタイトルが意味ありげですが、最近の若い子のほうが「男尊女卑」な考え方が強いような気がする。生徒を教えているとそう思うのである。特に今の20代はなんとなくその傾向があるような…。
統計をとったわけではないので、分からないけれど、なんとなくそんな感じがするのです。現実はどうなのだろう？
リハの帰り山の手線から見える、原宿竹下通り。ものすごい人だ！！。あの街にいく気がしれん。うってかわって、リハ先の練馬とわが町神泉は静かです。春の風がさわやかで。
よく言われる言葉に「金を借りれるのは大者、金を貸すのは小者」というのがあります。まあ、だいたい私の生徒にもあてはまるなあ、と。周囲の先輩や後輩をみてもあてはまる。月謝の滞納者は年に数人いるが、これは「小者」。これは「借りている」とはいわないだろう。月謝を払えないのであれば、友人や親から借りてくるのが「おおもの」である。それができないなら、師匠である私に「月謝分貸してください！」といえた時点で「おおもの」。しかし、私は「小者」になりたくないので、絶対にお金は貸さない主義。
なんかよくわからない論理だが、こうでも考えないと月謝の滞納は精神的に処理できませんね。まあ、それほど気にしていないけど。その生徒の今後を考えると、ちょっと気になる。
個人的な話。人付き合いについて書く。比較的オールド・スタイル。どちらかというと師匠や先輩から、いい意味で苛められながら育っている。今でいう学校などでの陰湿な「いじめ」ではなく、音楽の世界でのいじめなので、、割りにさわやかだ。ギター教室の先輩などに「お前、この作曲家知らないなんて恥だと思わないのか！」とか「この楽譜くらい買って置けよ！！」とか「お前はギターの音が分かっていない！」…などと言われて育ててもらった。
もちろん、当時は若いので、悔しいし、腹が立つ。でも、そういった人達も、私が努力していると気づくと、「うまくなったじゃん！」とか「音がすっきりしてきたな〜」「あの曲、難しいと思うけど結構弾けてたよ」とか褒めてくれた。
友人ともジャンル問わず、よく喧嘩した。次の日にはけろっとしてまた飲み直ししたりしたけれど。
留学から帰国した場合の頃、友人のバンドマンが私の演奏会に来てくれた。で、終わって一言「お前の演奏からはブルーズが消えた」と言った。私がホセ・ルイスのもとで研鑽を積んでいるときの一時帰国リサイタルの印象が強かったらしい。それと比較すると帰国直後（２千年頃）の演奏は「つまらない」ものに聴こえた…ということである。
こちらは既にプロとしてやっていたので、「何をこのアマチュアが！」と腹を立てたが、彼は「それでもお前の演奏はつまらない！」と譲らない。結局、飲み屋で、１万円札を投げ捨てて、途中で帰った記憶がある。
その後、彼のバンドが軌道にのり、昨年聴きに行った。ブルーズ界の重鎮の前座だったので、彼もそうとう緊張しただろう。ライブ後、「どうだった？」と訊ねて来るので、「馬鹿らしくて良かったよ！」と感想を述べた。彼は嬉しそうに「ああ、そうだろ！馬鹿っぽかったか！…打ち上げ来るだろう？」と述べた。
上記のような人間関係が美しいとは微塵も思わないけれど、今まで付き合ってきた人は「熱い人」が多い。自分の人生をかけているものがある、という意味で。御陰で、今でも自分の中の「熱」を失わずに済んでいるのかもしれない。もし、そういう人付き合いがなかったら、心の中の熱はとっくに冷めてしまっているかもしれない。そういう熱を失わずに生きていくことは、結構辛いものだと思う。この熱を失わないように自分を磨き、他人には苛められながらもひとつのことを続けなければならないからだ。しかし、この熱がない人生などは無為に等しいことであると思う。
今後のことを相談したいと、遠方より電話。知らない人。まあ、ちょっと面白い情報が入手できたので損はなかった。キーワードはイビサ島。さて、先方はギタリスト志望の若者。あまりにもクラシックギター界について知らないのはしょうがないかも。
抽象的イメージのほうが先行しているようで、ギタリストの生業というものへの具体的イメージはあまりないようである。このあたりはきちっとギタリストを専業としている人に弟子入りして、その師匠の生活ぶり（？）をつぶさに観察しながら、コンクールに出場したり、発表会に参加したりしていくうちにイメージが固まってくるものなのだろう。
現在プロとして活躍している人でも、ある日突然「プロ」になった人は限られるだろう。留学や修行期間のなかで、コンクールやコンサートなどを行い、すこしづつレッスン活動などをおこないつつも勉強を続ける。そのなかでなんとなーく生業になっていくのだと思う。
もちろん、他人に認められなくては収入にならないので、他人に認められることをしっかりと習得していかなくてはならないし、それをキープしていく才能が必要となるだろう。
このあたりを電話で説明するのは難しい。かといって、直接面談しても本人には理解しずらいことだろう。とにかくこの世界に入って、師匠や先輩ギタリストを参考に、自分自身で考え決断していくしかないのである。
と思うようなことをしている団体がいる。ニンジンをぶら下げておいて、直前になってから、そのニンジンがなくなった。べつにそのニンジンがなくても、それなりに人は集まったのだろうが…。
ただでさえ、評判が悪くなっているのに、こういうことをしてしまうと、余計まずい方向にいくような気がする。
でも、なんとなくこういう予感はしていたのだ。こういう予感というものは、誰にでもあると思う。私はオカルトは信じないほうだが、言語で説明できない、人間の勘というものの存在は信じている。
いままで、理屈でわからないときは、直感を頼りに生きてきた。大学選択も、留学にいくかどうか…も。心の感触…とでもいうのだろうか？…を頼りに、ものごとを決めることが多い。ざらつく方向には向かわない＆すんなり心にはいっていく方向へ自分を向ける…ということがなによりも大切。理屈で考えてもしょうがないときはこれが一番だ。
まあ、そういうふうに考えてきたので、今回のことも、それほど不思議ではないのだが。でも、理屈で考えたらオカシイことである。
最近、ちょいと興味があるキーワード。オカルトは嫌いなので、このあたりを冷静に分析した本を暇をみつけては読んでいる。なんだか脳の機能と関連がありそうである。記憶、経験などの蓄積が「直感」につながるのか？そうでないのか？…まだまだ未知の領域ではありそうである。
実際に「直感」に救われたことは数回ある。ドイツでの演奏会後、マドリッドに着いた。もともとドイツでこじらせた風邪が悪化。マドリッドの緊急病院に行った。その後、数日経ち、マドリッドの病院に残らず、住んでいたバレンシア・アルコイに絶対帰る！と思った。冷静に判断すれば、インフルエンザに近い症状だったので、医師には入院を勧められた。飛行機に乗るときも「自己責任」であるという念書をとられた。周囲の友人も、残ったほうがいいよ、と勧めてくれた。はたで見ていると歩くのも痛々しい雰囲気であったらしい。それでも、「直感」を信じた。結果として帰って正解であったのだ。
あまりにも症状が改善しないので、結局アルコイの緊急病院に行った。そこで、マドリッドで処方された薬を見せた。すると医師が「これを飲み続けていたのか！…あと2.3日飲み続けていたら確実に死んでたよ…」と言ったのだ。その緊急病院で処方された薬を飲んだら、あっという間に症状は改善。脳炎に近い病気だったらしく、もうちょっとで「死」だったという。
つまりマドリッド側の医療ミスだった。
そういう危機を何度か回避しているので、「直感」の存在と価値はとても信じているのである。これは宗教的な直感とはちょっと違う感じがする。私にとって宗教は「人が生きるための哲学」であって、売り物にするものではない。傍から見て、売り物に見えても本人にとって「哲学」になっているのであれば、それは否定されてはならないが。
これを何らかの売り物にしたときに、「直感」は失われる。人はそれぞれ本人の「直感」で生きていくべきものである。居心地のいいところにいれば、おそらく何のトラブルも起こらないし、ちょっとでも居心地が悪いと感じれば、それを「避ける」だけでいいのだ。でも「否定」はしてはいけない。他人の直感を否定する…そういう「似非宗教」がちまたに氾濫している。セルバンテスのドンキホーテを読めば、宗教とは何か？人が生きるのは何か？哲学とはなにか？…ということについて『若干の』ヒントが得られる。ドンキホーテという作品ですら『若干のヒント』なのだ…と思っていれば、他人の直感を『否定』するという態度はとれるはずもないのに。
ふかーく書く気はなかったのだけど、いちおう個人的見解です。なにに対して？…といわれると困るのだけど。とりあえず、今思ったことを書いただけ。実はそれほど深い意味はありません。
最近のレッスン問い合わせの傾向。遠方からが多い。今日も電話あり。先方の住んでいる場所を考えて、「ワンレッスンですよね？」と訊いたら、「いいえ、定期的に通いたいです」…でも、おそらく最低片道2時間はかかると思うけど…。まあ、本人がいいならそれでもいいけどね。意外に早く来る手段があるのかもしれない。
ギタリストにも日常があります