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2008年08月20日

生きた音楽表現へのアプローチ(保科洋著)

音楽表現の方法というものは運動に基づいている。
「ここは力を溜めていって・・・このフレーズの頂点で開放・・・」というようなことをレッスンでいうものである。こう考えると、音楽表現というのはエネルギーの移り変わりで理論化できそうなものではあったが、なかなかこれが難しい。
やはり実際のレッスンの場だと口伝に近い形で、教師がいろいろなパターンにおいて普遍的な表現を教えていかなければ鳴らないのが現実である。

・・・と考えているころに出会った本。かれこれ10年近く前になるかなあ。

スペインで学んだ西洋音楽の表現法のリアルな姿がこの本に理論化されていて驚いたものだ。漠然とケーススタディとして持っていた表現のルールが、理論化できることにびっくりしたのだ。

図などを用いて説明しているが、ちょっと分かりにくいかもしれない。でも、音楽表現を自分で見つけたい人には一読をお勧めする。いくつかフレーズの歌わせかたのコツを知っている人なら、「ああ、そういうことだったのか!」とすっきりするはずである。

音楽表現の理論付けに是非どうぞ。

2008年08月17日

放置していましたが…

ひさびさに気づきました。かなり放置していましたね。このブログ。

今日あたりから、また購入した本とか読んだ本を中心に更新していきます。

しかし、1年近く放置とは…カワイソウなことをしたなあ。

「音楽の基礎」(芥川 也寸志著)

ちょっと前まで絶版だった本。
内容は新書としてはハード。読み応えあり。
しかし作曲家としての「きらり」と光る感性も文章のなかに見ることができる。
速度と表情の項には、「アレグレット」を記号ととらえず、原語の感性からニュアンスを感じること…というようなことが書いてあり、ある意味でとても「現代的」。
30年以上前に書かれた本であるとは思えない「正しさ」に満ちている。

前に述べたが、全体としてハード&内容充実であるが、興味のある項から読むべし。役に立ちます。基礎って大事って思えます。