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2006年12月15日

音楽に生きる(中野雄 編著)

中野雄 編著・・・とある。ゲストとともに音楽について語る、という趣向の本。
中野雄氏の「モーツァルト~天才の秘密」(文春文庫)をともに読むと、面白い。
ヴァイオリニストの天満敦子との対談は、モーツァルト研究をもとに話題を広げていっている。

物書きというのは、ひとつのネタをあちらこちらへと広げていくようなところがある。

ある人物を研究していくと、他の人にも同じ「理論」が適用できることが多いということである。

そういう意味でやはりひとりの著者の本を数冊読んでいくと、いろいろと「創作」について学ぶべきことが多い。

2006年12月05日

若いピアニストへの手紙(ジャン・ファシナ)

音楽の技術、表現について「ごくあたりまえ」のことを、「ごくあたりまえ」に書くことはとても難しいのである。
それをファシナ氏はやってしまった。

スタッカート、レガートについての簡潔にして、的を得た定義は「あ!」と思う。
普段自分では感覚で分かっていることを、言葉で説明されると感動してしまう。

だから、この本は実際に演奏活動に関わっている人が読むと頭がすっきりする。

とにかく、簡潔。だが、奥が深い。
音楽をする上でもっとも大切は基本を再認識させてくれる本である。

2006年12月02日

美しい演奏の科学(藤原義章)

藤原義章氏による旧著「新しいアンサンブル入門」は、音楽の新しい形の理論書であった。
実際に名演奏家と呼ばれる人のリズムの取り方、表現法を理論化し、誰でも実践できる形へと文章化した隠れた名著である。

旧著の内容をリニューアルしたものが、この本。
より読みやすく、まとまった内容になっている。

自然リズムについての説明は必読。西洋音楽のリズムのプロポーションがよく理解できます。