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先日プロとアマのすみわけのことを書いたが、ここ数年思うことは「知識欲旺盛なアマチュア」が減った、ということだ。＆ネット依存症。基本的な知識は自分の力で探すことである。できれば、足を使って楽譜屋を回る、ということすら忘れている。楽譜は本とおなじ存在である。紙の質や手触り、デザインを含めて、その出版社のポリシーを表している。
ネットで適当な楽譜を探すのは手始めとして悪いことではないが、やはり「ギターを愛しているならば」避けるべきである。もちろん、どうしても入手困難な楽譜の場合は知人にコピーなどを頼むということは許されるだろう。だが、それも徹底的に調べてからの話である。
そして、最近はなんでもネットで聞いてしまおうと愚人が増えているようだ。ミクシのコミュニティなどに顕著な傾向だ。自力で調べる、もしくは専門店に訊いてみる、もちろんネットで調べてもOKである。とにかく最大限の努力を自分ひとりでしてみることが「知識」を増やすうえで大切だ。
『ネット依存症・・・ミクシ、ギターだけでなく、どこのサイトもそうです。調べるより聞く方が早い、と思う人がいれば、喜んで答える人もいるから、困るんですよね。』→そのとおりですね。かといって、『そんなの自分で調べたら？』っていうのも冷たいようだし。難しいところですね。
『楽譜屋めぐり・・・実物を見てから、買うのは基本ですが、国内の値段は高いので、ついネットで買ってしまう。これも「反則」でしょうか？問題は、ネットの普及で、楽譜屋も本屋も在庫を減らすか、完全に消える場合もあります。 』→時代の趨勢としては現物をキープする商売は減っていくでしょう。本屋も楽譜屋もやはり店員の質がものをいうのだと思います。かつての渋谷HMVのクラシック売り場にいた店員さんは、ものすごい知識量でした。いまはほんとうに駄目。クライスラーすら知らない。タワレコにはかなり専門知識のある店員さんがいて、CD化されたイスパボックスのスペイン古楽集成を20分くらいであるだけ集めてもらったことがあります。そういうのをプロの仕事という。今でも渋谷タワレコのクラシックの品揃えは素晴らしいと思う。現代音楽のところなど、ものすごい掘り出しものがあることがあります。
私がミクシで書いた楽譜屋の先々代の店長が、実はコメントを残しているtさんです。彼の知識量もすごかった。
なんとなくタイトルをいっただけで、「あれかな〜」といって、目的のものを探してくれた。「ここにはないけど、あそこにはあるかも」といって、店を紹介してくれたりもしました。買い手自身にある程度の知識があり、店員さんとのやりとりで更に知識が増えていくというのが理想的な「楽譜屋」のあり方でしょうね。
ネットでも購入は悪いことではないと思います。このあたりはバランスなのですが、私は日本で仕事している以上原則として日本にあるものは日本で買うことにしています。同じ業界にお金をおとすことが、自分がいる業界全体の活性化につながると考えるからです。
もちろん海外からしか入手できないものは注文します。また仕事上急ぎのものなども、クッションがない分速く入手できるのもネットの利点ではあります。
私の原則としては、日本で手に入るものは日本で、というものですね。
『余談ですが、渋谷のBook First は、現在の場所をやめて、駅前の狭い所に移るそうです。』→まあしょうがないでしょうね。あの本屋さんは、それほど魅力的な棚作りできていませんからね。まだツタヤさんのほうが、面白い。結局本も膨大にありますからね。どのような本を平積みするか？とか、どういう特集を組むか？というのを真剣に考えないと、駄目になるでしょうね。これもまた店員の才能によるところが大きい。
ギタリストにも日常があります