« 2008年09月 | メイン | 2009年02月 »

2008年12月28日

バレンボイム音楽論

ダニエル・バレンボイム、ピアニストにして指揮者。
音楽と人間との関わりを徹底的に論じている。バレンボイム自身の社会的な活動もその音楽家としての哲学から発生していることもよく分かる。

途中、スピノザの「エチカ」からの引用が多い。(昔読んだがちんぷんかんぷんだった)
彼が思索を深めていく上で、重要なヒントを与えてくれたのが、この著作であるそうだが、バレンボイムの語り口から還元して考えると、スピノザの考えもより具体的に理解することができる。

音楽と人生との関わりについてヒントを得たい人向けの本であると思う。

音楽表現について、かなり根本から「何故?」に対してバレンボイム自身の回答を与えているので、音楽を実践するうえでのヒントもたくさん書いてある。

ちょっと、とっつきにくいが、得られるものも多い本であった。


2008年12月24日

スタニスラフスキー入門

俳優さんと一緒にお仕事をすることがあったので、なんとなく俳優のメソッドというものに興味が出てきた。
とりあえず、有名なので、スタニスラフスキーシステムについての入門書を読んでみた。
スタニスラフスキーが演技に関する指導システムを試行錯誤しながら築いていく過程が主に描かれている。その過程が実に興味深い。心理学や先人のメソッドを参照しながら、自身の思考を構築し、実践し…。
まるで、哲学者のような人だ。